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訪問看護ステーションにおける人員配置基準の新設に関する声明文

2020.11.18 カテゴリー:お知らせ

 令和3年度介護報酬改定に向けた介護給付費分科会での議論において訪問看護ステーションの人員配置を看護職6割に対し、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を4割とする意見が出され、議論が進んでおります。
 この制度改正により、約8万人(リハビリテーション専門職団体協議会の調査)の利用者が訪問看護からの言語聴覚士等のサービスを受けられない事態となり、地域における言語聴覚士の訪問サービスの提供の継続が難しい状況に置かれています。
加えて、言語聴覚士を含めた訪問看護ステーションに勤務するリハビリテーション専門職の約5千人の雇用が失われることが危惧されています。

 このような状況を鑑み、このたび日本言語聴覚士協会は、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会とともに、訪問看護ステーションにおける人員配置基準の新設に関する声明文を発出することといたしました。

一般社団法人日本言語聴覚士協会
会長 深浦順一

 

令和2年11月17日

訪問看護ステーションにおける人員配置基準の新設に関する声明文

公益社団法人日本理学療法士協会
一般社団法人日本作業療法士協会
一般社団法人日本言語聴覚士協会

1.看護職員を6割以上とする要件を設けることの課題について
 課題1.理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問看護は、看護職員の代わりに訪問させるという位置づけのものです。サービスの選択は、地域(住民)のニーズによるものであり、今回の人員配置基準の新設は、国民の訪問看護に対するニーズを排除した制度改正となります。
 課題2.約8万人の利用者(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問看護を受けている国民の約2割)はサービスを受けることが出来なくなります。
 課題3.理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は約5千人(訪看1-5の業務を行っている者の約3割)が雇用を失います。

2.訪問看護ステーションにおける人員配置基準の新設に関する意見について
 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が極端に多く、本来の訪問看護ステーションの役割を果たしていない事業所については、個別に規制を行うことが重要です。全国一律な人員配置基準は、中山間地域や島しょを含む地域(住民)のニーズを排除するものであり、地域包括ケアシステムの理念に大きく反します。人員基準は現状のままとし、国民のニーズに応じられる体制を保持することを求めます。
 なお、コロナ禍において国民は訪問系サービスを選択している状況も踏まえ、国民や現場に混乱が生じないように、丁寧な制度改正を行うことを求めます。

3.理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が極端に多くを占める事業所について
 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問看護は、その地域(住民)のニーズに応じてほとんどの訪問看護ステーションでは適正にサービス提供されている中、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が80%以上を占める施設が0.4%(約40施設)存在することを懸念する意見が多く出されています。
 日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会においては、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問看護に偏り、本来の訪問看護ステーションの役割を果たせなくなることがないように、ガバナンスの形成等を行い、各医療関係団体と協力をしながら、国民の生活保全の一翼を担うことが重要であると考えています。故に、人数等の規制を行うことは不適切と言わざるを得ません。

4.現場の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士への配慮について
 介護給付費分科会の事務局資料では、看護職員の代わりに訪問している理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問看護の増加を、まるで否定するかのような資料が提示されています。看護師が管理をする訪問看護事業所に雇用をされ、地域(住民)のニーズに応じて日々真剣に利用者と向き合っている現場の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の士気を下げるような資料を厚生労働省の事務局が作成することは誠に遺憾であり、今後は国民のニーズに応じた、中立公平な議論をすることを望みます。

記事の有効期限: 2021年3月31日 10:37pm